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candy



キスをする時、三橋は恥ずかしげに目を閉じてから口を開ける。
頬が染まっているのを除けば、その表情は小さな子供がする『あーん』に、そっくりだ。
飴を持っていたら迷わずその口に入れてしまうだろう、そんな表情。
つか、普通キスしようって時に、ンナ大きく口を開けるか?
まぁ最初した後に、これからは口を開けとけよって、確かにオレは言った。
それは歯を食いしばられたままやって、お互い痛い思いをしたからなんだけど。本当に加減が分からないヤツだ。
それでも唇が合わさる直前には、遠慮がちに閉じ気味になる。
柔らかい感触がオレの唇に届いた瞬間、小さく三橋の身体が跳ねる。
何回やってんだよ、いい加減慣れろと思うんだけど、そんな反応を悦んでいる自分が何処かに居るのも事実だ。
触れるだけの口付けをし、何度かその唇を柔らかく食んでから、ゆっくりと舌を差し入れた。
ゆるゆると吐かれた息がオレの口の周りに掛かり、三橋が受け入れようとしてくれているのを感じる。
三橋の口内はいつもオレのより少し高い。それなのにさらさらしていて纏わり付く感じがない。
オレはその感覚を、ドライに、余所余所しく感じてしまう。これは体質なのだと頭の中で判っていても、だ。
つい乱暴に中を弄ろうとするオレの舌を、三橋は宥める様にそっと吸った。
口内から全身が溶けそうな感覚に襲われて、オレは思わず三橋の身体を強く抱き締めていた。
「ふっ・・・」「・・・ぅ」
殆ど無いオレらの隙間から、お互いの甘い吐息が漏れた。
そう、甘い。重なっている部分が、何もかも。
三橋もそう感じているのがオレにも伝わった。震えながら、オレの舌を吸うのに夢中になっている。
オレらの、混ざった唾液を飲む音が、三橋の喉の奥で小さく鳴った。

甘露を与えているのか?与えられているのか?

もうオレには分からなかった。






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↓現実オチ。

お、オレならチッス出来る・・・!!

2/1はアベミハの日!だという事で痒い話を書いてたのですが間に合わなかったのでlogを漁ってきましたよ(笑)【from log】

02/01/09


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